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2009.02.04  Kolon city

ライン川

ドイツ・フランクフルトからICE(ドイツの新幹線)で約2時間。ライン川沿いのケルンへ移動した。駅に着くと美しい構造体が僕達を迎えてくれた。ブリッジ状の天井が実に開放的で美しい。駅の隣には世界最古・世界遺産ケルン大聖堂が見える。一度は観てみたいと楽しみにしていたこの建造物は言葉を失う程の大迫力。歴史感とスケールの大きさに感動し、口を開けて見惚れてしまう。駅の改札を出るとすぐに大聖堂の正面広場。この世界遺産であるスケールのデカイ大聖堂が普通に駅の隣にある。というよりも大聖堂の隣に駅を作ってしまったというのが粋だ。入場制限も無い、市民の広場。日本人の私には、不思議な感覚を感じた。

着いた早々から搬入作業が待っている。観光では無く、お仕事に来ている。大聖堂の外観を暫し眺め、早速ホテルにチェックイン。ケルンでの滞在するホテルはライン川沿いにある。とても良い環境だ。早速着替えて、会場へ。昨日フランクフルトで詰め込んだ荷物を載せたトラックの運チャンと待ち合わせている。今回の会場は、ライン川沿いにある商業施設。
日本のOZONEデザインセンターの様な施設で行われる。ドイツの各企業ショールームが入居する建物。ホテルからライン川沿いを歩く。とても気持ちいい。ホテルから会場までは、最新の建造物が並ぶ商業施設。東京・お台場に似た雰囲気。会場に着くとスタッフの方が出迎えてくれた。イケ面のドイツの男性。背も高くスタイルが良い。映画俳優と話しているかのようだ。

会場荷物荷物スタッフ フラワー

会場の打ち合わせを終え、トラックの到着を待つ。昨日のフランクフルトでの搬出の際は、1時間半待たされた。ルーズだ。しかし、外国へ来ると、このルーズさに慣れてしまう感が怖い。今回も到着が遅れた。予想していただけに驚かない。到着し、搬入、展示。今回の会場は前回の美術館に比べ狭い。狭いなりに搬入する「段取り」を行う。スムーズな作業を行うのは、全て「段取り次第」。相変わらず搬入作業は疲れる。しかし今回は開放感のある会場で、ライン川を眺めながら行っていると、疲れと時を流してくれる。
翌日からは、ケルンでの展示会が行われた。日独親交協会の会長を初め、ケルン在住の日本人の方や多数の来賓が来展。ライン川の川辺を散歩する一般の人達も窓越しに食い入るように見物してくれている。

ライン川の川辺ライン川の川辺ライン川の川辺ライン川の川辺ライン川の川辺

毎朝の朝食はホテルでは食べず、徒歩15分程の市内へ散歩も兼ねてライン川沿いを歩いた。ケルンの朝は当然寒いが、朝の川沿いを歩く事は最高の楽しみになっていた。大きく深呼吸をすると、眠気も覚め、前日の疲れが吹き飛ぶ気がした。川には沢山の大きな貨物船が川を行き交う。この欧州大陸では、河川が大きな流通網だという事が船に掲げている国旗で判る。多国籍の船が沢山の物資を積んで運んでいる風景は昔も現代も変わらないのだと思うと何故か感動する。この街が生まれた時から川と共に生きてきた環境にも感動する。

ある朝は、時間があったので、大聖堂に上る事にした。先に上った仲間が朝食前に上る事を勧められた。予備知識は何も無く、「上ってみよう」という好奇心で上り始めた。階段はらせん状。上り始めて5分も経たず息が切れた。腰も痛い。足腰が重く、らせん状を回る事で目が回る状態。長年サッカーをしてきて体力には自信があったが、筋肉の使い方の違いは明らかだった。気持ちが悪くなってきたが、休む場所も無く、引き返すにも引き返せない。もう上り切るしかない現実があった。仲間は、その事を教えてはくれなかった。幸い、朝早く観光客も少なく、ノラリクラリと上っていても誰にも迷惑を掛けなかった。上るなら朝早くをお勧めします。

後で判ったのだが、高さが157Mあるそうだ。東京タワーの約半分。この高さをらせん階段だけで上り切ると素晴らしい風景が待っていてくれた。圧巻だった。朝靄にやわらかい朝の日差しが古都ケルンを神秘的に照らしている。この日のこの時間に登頂出来た事に自分の「ツキ」を感じた。この風景を伝えようにも言葉で伝え切れない。風景だけではなく、ゴシック様式の装飾が目と鼻の先で見る事が出来る。素晴らしいアートと完成度の高さには本当に感動する。600年以上も架け完成したこの大聖堂。歴史感が全く違う事を肌で感じる。世界大戦時の空襲の際も敵兵はこの大聖堂には爆弾を落とさなかったという。きっと上空から観ても綺麗で圧巻だったからと想像する。
塔の上はガラスも無い。朝風が上る際の汗ばんだ体を凍らせる。そろそろと降りたくも、降りるのは恐怖のらせん階段。寒いけれどもう少し眺めていようとなかなか踏ん切り付かなかったが、恐怖の階段下りを決行。下る辛さは予想を裏切らなかった。階段を下り始めると、観光客が上り始めて来た。二人すれ違うには狭かった。早く上ってしまって良かった。驚くのは、すれ違う人の殆どが日本人。「おはようございます。どうでしたか?まだ随分と階段ありますか?」と尋ねられる。日本人観光客って、何処にも沢山いるんだなぁと思った。
降りると広場に保育園の子供達がお散歩に来ていた。非常に可愛い。可愛さが階段の疲れを癒してくれた。白い肌に朝の寒さで頬が赤くなっている姿は天使に見える。可愛く、微笑ましい風景に思わず、レンズを向けた。

朝食朝食古い建物 古い建物石畳

この朝の散歩は、トライアスロンとなってしまった。ちょっとの寄り道が朝食の時間を大きく後送りした。かなり腹も減り、いつものパン屋さんへ。このパン屋さんのベルギーワッフルがとにかく美味しい。毎朝11時には売り切れてしまう程の人気。この朝は残り数個の処で有り付けた。
この界隈(市街地)は、古い建物を活かしている。とても調和していて美しい。新しく変えるのでは無く、古いモノを活かし、調和を大事にする。欧州では当たり前の事を驚き、感動し、反省するのは日本人くらいだと思う。石畳の道も何百年も前からの道で歩き難い。シューズを履いた自分でも足を挫く様で足裏が痛くなる。ハイヒールを履いた女性が歩ける道ではない。車が通るとボコボコと音がうるさい。車も痛むだろうと思う。でもこの石畳の風情を楽しみ、大切にし、市民の皆が愛しているのだろうと思う。現地の人に聞くと以外にそうでは無く、ハッキリ嫌だと言った。言い切った。おいおいっ・・・。「聞かれるからそう応えるだけで、そう問い掛ける人も不満を言う人もいないよ」と。この貧困な感性はやっぱり日本人なんだなぁと感じる。
ケルンは、小さな街だけども、退屈しない素敵な街でした。是非行ってみて下さい。

ケルンでの展示会は、2月4日〜7日までの3日間にて行われました。2月末にはベルリン・バウハウス美術館にて行われます。