スタッフボイスフォト

スタッフボイス

2009.06.17  Study tour

研修旅行

本日は研修旅行。年に数回、仕事の谷間をみて企画している。福井は世界でも稀にみる、ものづくりの集積した地域。伝統の漆器に和紙、陶器、刃物。国内生産の90%以上を占める眼鏡フレーム業界はその高度な精密技術を他分野にも生かしている。その他には、かつて重工業であった繊維工業は世界に誇る技術を持っている。農業ではコシヒカリ。新潟コシヒカリは有名だが、開発したのは福井だ。今回は、その技術を生み出す、地元・福井工業試験場にて最新技術の現場を体験した。ハコアには3D加工を行う為のソフトとCAD-CAM、NC旋盤が2台ある。その機能を使いこなす機会は少ないが、最新技術と連携して、眠った機能を掘り出し、商品を企画する為にも指導を頂いた。ハコアで試作した不定形な形状を3Dスキャンを行いデータ化。そのデータをCAMに落とし込み、加工するといった技術を試験した。この技術にて商品が生み出される日は近い。

CAD-CAMCAD-CAM

他に光造形という技術がある。この研究は国内でも進んでおり、いろいろな業界にて、手加工では出来ない試作を行える。特殊な液体に光を当てれば、凝固し、形が形成される。精密な物体から、恐竜の骨格の様な複雑な形状も型を必要とせず、形になるのはSF映画のいちシーンのようだ。日頃、アナログに技術を磨くハコアのスタッフには、ちょっと刺激的な光景だ。

光造形光造形

世界的な技術を魅せるているのが繊維工業。今は中国の台頭で生産は海外に移ったが、技術と新素材の開発は未だに世界をリードしている。福井で生み出される画期的な素材が、この工業試験場にはお宝のように眠っている。ハコアは木ベースの商品企画だけでは無く、「モノづくりの出来るデザイン・ファクトリー」として変化している。全国からデザインの依頼を受け、日々、新素材、新技術を求めて、試験を行う。今回は、繊維の新素材を用いて画期的な新商品を開発中。打ち合わせと試験を行った。

繊維工業工業試験場

福井から金沢までは、高速にて、車で1時間半程度。弊社に木材を供給している木材業者へ訪問した。どの木材業者も広大な土地に多数の種類の木材を保有している。今回は、新商品に使う木材の買い付けと新素材を探しに伺った。小学校の体育館の2倍、3倍はある大きな倉庫の中には、世界から集められた木材が眠る。非常に静寂な空間の中では、木材の寝息と威圧感を感じる。日本ほど世界中の木材が集められる国は無い。それは、日本人が如何に木材に拘り、生かしているかを示している。
木材の買い付けの殆どは、代表である自分が行っている。木材の良し悪しは、加工してみないと判らない。買って、加工して「駄目だった」で、返品は出来ない。並んでいる木材の質を読んで、買うのは経験の質と勘に尽きる。厚みや木目の方向、木の癖等、いろいろな種類やグレードがある中から、作る商品に合わせ、サイズや厚み、木の質を見て、交渉する。その現場にスタッフを連れてくるのは初めてで、彼らには良い経験だ。
今の輸入木材は、製材後、現地で窯に入れて強制乾燥を行っている。強制乾燥した木材は肌荒れがヒドイ。カンナをかけても「バサバサ」で、木が死んでいる。私達は買い付けしてもすぐには使わない。建築業界の「乾いている」では私達は使えない感がある。私達は含水率18%は少し「湿っている」。触れば判るけれども、私は舌で舐める。舌で感じるのが一番良く判る。この状態から最低でも2週間は、天日で干す。その後、最低でも2週間を倉庫内で寝かせる。丸太を製材した場合は2,3年外で天日干し、狂わせに狂わせ、水分を抜く。その後、狂いを落ち着かせる為にも2年程度、倉庫で風を当て、眠らせる。それだけ慎重に手間を掛けた木材は加工しても生きている。肌荒れが無いからカンナを掛けても艶々、しっとりな感がとても気持ちいい。子供の肌のようなモチモチ、艶やかに生まれ変わる。

木材倉庫木材倉庫

昼過ぎには金沢から高山へ向かった。今年、富山ー愛知を結ぶ、北陸東海自動車道が全面開通した。そのお陰で金沢から家具の街、飛騨高山まで3時間以上かかっていたが、1時間半で行ける。飛騨高山には仲の良くして頂いている椅子製作の作家さん、家具メーカーがあり、度々出向いて、お互い情報交換し、切磋琢磨している。その中でもハコアの現場に似た木製照明のメーカーに出向いた。ハコアよりも様々な機械を用いて、更に生産性の効率化を図る為に、改良、改造を行っている。機械に使われては駄目だ。使いこなさないと意味が無いし、くやしい。ただ、どんなに機械化が進んでも私達木工は、最後は手が入る。手で仕上げ無ければ商品としての柔らかさと精度は出ない。どんな最新の機械でも、結局はひとつの道具に過ぎない。木の質を良く知り、技術が無いと機械も使いこなせない。常に頭を使い、改良、改善を目指して考えている。とにかく考えている。その姿勢を見て、感じ、改めて仕事に対する姿勢を見直し、襟を正す思いを感じるメーカーさんに、新たなスタッフが入る度にお邪魔している。

見学中のスタッフ達見学中のスタッフ達

足早に3県を回った研修だったが、モノづくりの楽しさを改めて感じ、スタッフの眼は明日を見つめていた。