スタッフボイスフォト

スタッフボイス

2009.09.26  Internship

パンフレット

一人の学生さんがインターンを申し込んで来た。ハコアの商品を観て、全国から求職申込みを送ってくる人は、月に5〜10人に上る。しかし、将来の社会勉強の為にハコアで働きたいと申し込んで来た、滋賀県立大学の物静かな青年だ。バイト代も要らないから2週間だけインターンをさせて頂けないかという事だった。何度となく話し合い、謙虚な姿勢と熱意に感動した。しかし、これまでの求職申込みでも、結構、木工って簡単に出来るものだと思われている。しかし、木工って五感を研ぎ澄まし、感じながら行わねばならないので、2週間程度では、現場での作業は無理だ。特にハコアのスタッフは一人ひとりがプロジェクトを持って、企画、受注から納品までを責任を持って業務を行っている事もあり、スタッフの時間を充てるのもストレスになる。現場にバイト感覚で入られても危険が伴う仕事であるし、磨き程度でも面の取り方で製品の良し悪しが決まってしまう。教えている間に研修期間が終わってしまい、2週間では何も与えて挙げられない。短期間の研修を受入れて、彼は何を得られるのであろうかと悩んだ。

インターンパンフレット作成

ハコアで何がしたい?何を学びたい?答えは明確には無いが、私達の現場を観たい意思は受け取れた。教えるのでは無く、教わる事を彼に条件付けた。私達はそれぞれに時間があり、君に充てる時間は無い。その中で自分が何が出来るのか、何を残すのかを考える事を最初の課題として与えた。彼に与えたのは、ハコアの取材をしてハコアのお仕事をビジュアル化する事。ハコアでは自分達のブランドアイテムを企画し、作る一方で、国内外のデザイナーやブランドからの依頼、全国の企業ブランディングやOEM、ホテルやオフィス等の家具や備品の設計、製作と多岐に渡り業務を行っている。その他にも学生や地域の人達との交流の中で、モノづくりを楽しんでいる。そのプロセスや成果物は、忙し過ぎて、カタチとして残していない事から、訪れた人達にハコアのお仕事として知って貰える冊子を製作し、残すといった作業を2週間内で行う事。私達の業務を取材し、商品開発の厳しさや難しさから、社会へ出るまでの心構えを学んで欲しいと思った。

インターンパンフレット作成

彼は現場で仕事がしたそうだったので、1日だけはオートマの機械に付いて現場の空気を味わって貰ったが、翌日からは、取材と編集を行い、終了までに冊子を作り上げた。にわかな製作ではあるが、丁寧に丁寧に作っていき、ひとつの製作物を残した。私は現在、営業にその冊子を使わせて頂いている。いつか、本にしたいね!と彼の努力を労った。毎日片道2時間を掛けて、ハコアまで通ったのだが、インターンだから、バイト代は要らないという意思を尊重し、無給にさせて貰った。報酬として、最後にハコアのお好みの商品5点と中野の漆の飯椀をプレゼントした。中野の飯椀をどうして?という顔をしていた。一流の道具は使わなくては一流が判らない。使って良さを知り興味を持つ事で自分の立ち位置を1ステップ上げる事が出来るはず。まだ、学生。厳しい世の中。志高い若者は、厳しい世の中でも必ず可能性は見つけられる。彼にエールを送りたい。