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2009.11.17  Residenz-Party

レセプションパーティー

レセプションパーティーは夕方6時に始まった。外は既に暗く、暗闇のレジデンツは更に威圧感を漂わせる。続々と人が集まり、私達の作った漆製品を興味深く眺めている。今回招待された方々は、ミュンヘンの外交官や大学教授、日本大使館や領事館、ミュンヘン在住の日本の方々が誘いに誘って頂き、200人を越える大パーティーとなった。

レセプションパーティーレセプションパーティー

ワインをお出しし、出迎える。会場に人が入り切らなくなった頃、フレンクラー教授が壇上に立った。来場者はワイン片手に壇上に立つ教授を見上げる。教授は静かに話始めた。まずは、お礼の一言から始まり、私達との出逢いから、漆という素材の特徴や優位性と魅力を語った。彼がデザインした製品のデザイン哲学には、来場者の方々は聞き入っていた。初めての開催であるだけに興味深々のようだ。その後、日本領事館長が日本の紹介を始めた。非常にドイツ語が上手く、聞き惚れる程だった。

レセプションパーティーレセプションパーティー

パーティも中頃、ワインも結構入り、ほろ酔い程度の頃に私の周りに大きな壁が出来た。製品の説明、製作の苦労を話していると、自然に多数の方々が集まり、輪が出来たのだ。それは、大きな輪だった。ドイツ人は本当に大きい。190cmを越える人達の輪の中心にいると、落とし穴に落ちたかの様な気になる。酔いもあり、言葉多めに話した。可笑しく、楽しく。その話をミュンヘンで結婚され、旦那様と来ていた日本の女性が私の言葉を楽しく通訳し、彼らに伝えて頂けた。笑いが増える度に輪が大きくなっていったから非常に大きな威圧感を感じていた。

レセプションパーティーレセプションパーティー

彼らに気になるのは、漆という素材。どうして奥深い艶と光を放つのか?繊細な細工はどの様に行うのか?どうして木でなければならないのか?興味があるだけに、「どうして?どうして?」の問い掛けが連発された。どうしての数だけ、私達には苦労と知恵がある。私も漆の世界に入るまでは、彼らと同じ疑問だった。価値感が判らなかった。しかし、漆を扱う事で素材の奥深さと楽しさが見えてきた。「どうして?」を解決する為には、沢山の職人さんから話を聞き、自分で行って、ようやく理解出来る。私が修行時代は師匠に聞いても、「言葉で言っても判らんよ」の一言だった。当時は、何で教えてくれないんだろうかと悩んだが、実はその一言が、一番判り易かった。何でも自分で行って、初めて判るもの。ただ、それを今、ドイツの方々に云ってもなぁーという思い。延々と続く「どちて坊や」に酔いも冷めて来た。

フラワーアレンジメントフラワーアレンジメントフラワーアレンジメントフラワーアレンジメント

これまで、色々な国で花を見てきたが、このミュンヘンの花は、生き生きして本当に分厚かった。何がといえば、葉の厚みも花びらも枝も色も作り物のように。ただ、今回は良い花があっただけなのかもしれないが、見事な花だった。大きなドイツ人が育てると花もこんなに大きく、生き生きするのかと勘違いしてしまうくらいに。鮮やかな緑や赤が漆黒に映え、最高のコントラストに酔った。シンプルで歴史を感じる雰囲気は「わび・さび(侘・寂)」を感じ、ドイツでも漆は絶妙に合う。日本よりもドイツの方が合うのではないかと思う。

レセプションパーティー漆器漆漆器

慌しく準備をして始まったこの展示会は12月4日までの2週間、開催される。会期中はレジデンツに来た通りすがりの方も自由に見学して頂ける。これを機会にミュンヘンで漆ブームが起きればなぁと思う。明日からは、ミュンヘンの学生さん達に会場をお任せし、私達は一旦、1週間だけだが、日本へ帰る。ちょっと、億劫だ。