木製名刺入れや木製iPhoneケースはHacoaスタッフがひとうひとつ作成しております。
  • KITTE丸の内店長:会田圭佑
  • 木製デザイン雑貨、Hacoa
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生まれる時間をたどって

ずっと使い続けたくなる商品たちは、どういうプロセスを経て出来上がってくるのか。ひとつ一つの過程にはつくり手のどんな気持ちが隠されているのか。いつか誰かに育まれる一品が誕生するまでの軌跡をご紹介します。

Way.8「次のHacoaへ。動きだした丸の内店の魅力。」

語り手/KITTE丸の内店長:会田圭佑、 スタッフ:矢木清香・安福千晴・山本美保

2013年3月21日、東京丸の内に誕生した、日本郵便初の商業施設「K I T T E(キッテ)」。その建物の中に、Hacoa DIRECT STORE(以下HDS)丸の内店はOPENしました。日本の玄関口と呼ばれる場所に生まれたショップとして、さまざまな期待が社内外から寄せられています。今回は、実際に店頭で立つスタッフにインタビュー。丸の内店のお店づくりにかける、それぞれのスタッフの想いをまとめています。

次の展開の基盤となるダイレクトストアへ。Keisuke Aita

●店長:会田圭佑(あいた・けいすけ)

好きな商品を丁寧に説明して、好きになってもらいたい。

私のHacoaスタッフとしての歩みは、HDS 2k540店から始まりました。それ以前は、某・大手生活雑貨のお店で働いていたんです。私には、好きな商品について丁寧に説明し、大勢の人に好きになってもらいたい強い想いがあります。ただ、従来勤めていたお店には、膨大な商品点数があり、毎日、大勢のお客さんが来店していました。私の力量にも関係しますが、お客様一人お一人に対して、なかなか充分なコミュニケーションが取れなかったんです。その想いをもう一度成し遂げたいと思い、Hacoaへ応募し、働き始めました。お客様に「これでいい」ではなく、「これがいい」と胸を張って選んでもらえるHacoaの商品の接客は、私の日々を充実させてくれました。

もっとHacoaに深く関わりたくて、店長に手を挙げました。

HDS 丸の内店ができることを知った時は、「店長をさせてください」と自分から申し出ました。HDS 2k540店で働く中で、Hacoaの商品だけでなくブランドそのものが好きになり、もっと深く関わりたいと思ったのが大きな理由です。働かせてくれた皆さんに恩返しがしたい気持ちもありました。就任後、数ヶ月が経ち、徐々に店長として注力すべき内容が見えてきています。店長の主な仕事としては、店頭で接客することに加え、責任者として他のスタッフを管理することが挙げられます。例えば、働きやすい環境づくり。混雑していてもスムーズに接客・販売が行える動線設計や作業の流れの改善など。現場の声を本社にフィードバックし、新たなサービス開発につなげるのも私の仕事だと考えています。

好きになってもらう方法は、奇抜なことではないと思います。

今後、特に心掛けていきたいのは、一度ご来店いただいたお客様が、もう一度、足を運びたくなるお店づくりです。その方法は、特に新しいことでも奇抜なことでもないと思っています。大切なのは、やはり、お客さんに商品を好きになってもらうための対応です。「木商品は割れやすいのでは?」という質問があれば、デメリットを隠すのではなく、理解してもらう。経年変化の魅力など、木ならではの良さを本音に基づきながら説明することだと思っています。私を含めてスタッフは皆、Hacoaが大好きなので、このままもっと成長すれば、どんどん対応力を上げていけると思っています。丸の内店が、Hacoaブランドの次の展開につながる基盤になれるよう、さらなる努力をしていきたいです。

海外へ、より深く、魅力を伝えていきたい。Sayaka Yagi

●スタッフ:接客・海外取引/矢木清香(やぎ・さやか)

世界中にファンがいることを実感する楽しさ。

担当しているのは、店頭での接客および海外のお客様との取引、海外からオファーのある雑誌取材の対応などです。私は、ペンシルバニアの大学を卒業し、現地でインテリアコーディネーターとして働いていた経歴を持っています。世界につながる丸の内という立地にOPENしたHacoaで、私のスキルを役立てられることを目指して業務を行っています。実は、Hacoaには、毎日のように海外の個人のお客様や卸業者の方からメールで注文が届くのです。しかも、たくさんの国から送られてきます。オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、韓国、ニュージーランド……。恐らく弊社のウェブサイトで見つけていただいているのだと思いますが、とてもありがたいですね。世界中にHacoaのファンがいるのだと思うと楽しくなってきます。

背景の価値を含めて、海外に伝えていきたい。

もちろん、海外にも木製雑貨の商品ブランドはたくさんあるんです。その中でもHacoaを選択してもらっている理由には、私の感覚で、ウェブサイトの写真や動画から伝わる商品のスマートさではないかと思っています。木の温かみを持ちつつ洗練されたデザインの商品はとても貴重だと思います。また、海外のお客様の中には、日本の伝統にも興味がある方が多いので、Hacoaのバックボーンである越前漆器についても、今後はもっと伝えていくべきだと考えます。今は、世界中どこにいても、魅力のある商品を探すことができ、入手することができますから。私としては、Hacoaが今後、商品そのものの情報だけを海外へ伝えるのではなく、背景にある価値もちゃんと伝えていくための力になりたいです。その上で、さらに好きになってもらえるようにもっと努力していきたいです。

私ならではのHacoaを、お客様に合わせて。Chiharu Yasufuku

●スタッフ:接客/安福千晴(やすふく・ちはる)

いつかはオリジナル商品の企画も手がけたい。

私はもともとHDSダイバーシティ東京プラザ店で接客を行っていて、3月のOPENと同時にHDS丸の内店へ配属となりました。接客とともにOEM企画を担当しています。これは、メーカー機能を持たない客先ブランド商品の企画・製造のみを行う事業のこと。Hacoaでは、オリジナルブランドを持ちながらも、その技術力だけを提供する活動も行っているのです。OEM企画の流れとしては、商品のアイデアを出して、提案書にまとめ、決済が降りれば福井本社で製造に取り掛かります。ただ、企画としてはまだ動き始めたばかりで、いろんな工程を試しながら進めています。いつかは、OEMではない、Hacoaオリジナル商品の企画も手がけてみたいですね。私は大学在学中にクラフトデザインを専攻していたので、その学びを少しでも活かせたらと思っています。

手を動かす部分や効率アップでお客様を喜ばせたい。

ふり返れば、最初に出逢ったHacoaの商品は、セレクトショップに置いてあったUSBメモリでした。すごいインパクトを受けたのを覚えています。その定着度の高さに驚きました。万が一にアイデアが浮かんだとしても、木を素材に、これほど高い完成度でバリエーション豊富に仕上げるのは困難です。今の私としては、この時に受けた感動を、できるだけ多くのお客様に受け止めてもらうためのお手伝いがしたいです。私はどちらかというと口ベタなので、スピーディなレーザー刻印や気の利いたラッピングなど、手を動かすサービスを含めながら、Hacoaの魅力を伝えていきたいと思っています。HDS丸の内店に来店されるお客様の中には、東京駅の近くということもあり、あまり時間の余裕のない方も多いです。でも、だからこそスムーズでわかりやすい接客を心掛けていきたいと考えています。

最先端の場所で働いている自覚と責任。Miho Yamamoto

●スタッフ:接客/山本美保(やまもと・みほ)

細やかな所作まで気を配ることの大切さ。

以前はHDS2k540店に勤めていましたが、HDS丸の内店のオープニングに人手が足らず、サポートスタッフとして加入。働き始めたところ、毎日訪れるお客様の多さに楽しみを覚えてしまい、現在では、HDS丸の内店スタッフとして働かせてもらっております。ふたつのお店は、来客数以外にも異なる点があります。HDS2k540店は親しみやすさに重点を置いたお店づくりをしていました。対してHDS丸の内店は、東京駅が近いので、国外も含めた各方面からのお客様にあわせて、洗練された空気をお店の中につくりあげています。例えば、心掛けていることとして「所作の美しさ」があります。引き出しをまっすぐに引いたり、商品を渡す際のしぐさ、そして、着ている服など。細かい点ではありますが、一つ一つの動作の積み重ねが大事だと考えています。シチュエーションも商品も魅力的だとしたら、あとはスタッフが良い空気をつくるだけですからね。

流行ではなく、生活に必要なものとして、広めていきたい。

Hacoaで働いていると、商品についてよく知っているからゆえの醍醐味を感じます。木の魅力についてだけではありません。福井の本社で誰がデザインして、誰が加工して、誰がパッケージングを用意しているかをわかっているので、お客様に商品について説明する際、気持ちが込めやすいのです。ただ、だからこそ、お客様に商品の魅力をちゃんと伝える責任があります。(お客様に「ありがとう」と言ってもらえるのは、接客スタッフのいいとこ取りかもしれませんが笑)。海外への玄関口となっているHDS丸の内店で接客をするということは、Hacoaの最先端の場所で、情報の発信をしているということ。Hacoaの商品は、決して流行ではなく、生活に必要な潤いを与えるモノだと私は考えています。その価値を、HDS丸の内店から、世界に広めていきたいですね。

製造部/玉村亮介

製造部/玉村亮介

遮二無二・新人

ガムシャラな表情、壁にぶつかった表情、
腕が上がったことに微笑む表情など。
Hacoaは、がんばる新人のいろんな顔が見られる場所でもあります。日々を一生懸命に積み重ねる彼らの横顔をフォーカス。

「板前から木工へ。職人の道はつながってる。」

List.7 製造部/磯野治基

前職は板前だったそうですね。

実家が民宿なんです。高校卒業後2年間は、大阪の専門学校で調理を学び、その後の4年間は、お店で修行。それから実家の民宿に戻って8年間、板前として働きました。転機となったのは、数年前、他県で別の仕事をしていた兄が帰ってきて板前になったことでした。2年間ほど、一緒に厨房で腕を振るっていたでしょうか。でも、二人の板前がいても客足が増えるわけではありません。ある時、「お店のことは兄に任せて、何か新しい仕事を始めるべきかなのかもしれない」と思ったんです。しかし、12年も続けてきた板前に代わる仕事なんて、簡単に見つかるはずがありません。もやもやした日々が続いていました。そんな時、偶然、テレビでHacoaのことを取り上げた番組を目にしたんです。長い年月に培われた伝統工芸を土台にした、現代ニーズに応えるものづくりの姿がそこにありました。テレビ画面に釘付けになり、「ここで働きたい」と熱い気持ちが込み上げてきたのを覚えています。

そして、ご家族に伝えられたのですね。

気持ちを落ち着かせながら、家族に自分の想いを伝えました。もし入社できたらHacoaで働きたいと話した時、兄は、「お前がやりたいことをすればいい」と目に涙を溢れさせながら私に言いました。全てをさらけ出して兄と話し合ったのは、あれが初めてだったかもしれません。続けて、両親も、妻も認めてくれました。本当に有り難いと思います。その後、履歴書を送る前に、一度、Hacoaに足を運びました。のどかな田園の真ん中に建ったモダンな社屋は、まるで仕事内容を象徴しているようで惚れ直しました。休日だったので現場は見られませんでしたが、DIRECT STOREで商品を手に取ってみて、あらためて精巧なものづくりに感心しました。「やっぱりここで働きたい!」と自分の気持ちを再確認しましたね。

面接では、市橋さんとどんな話をしたのですか。

市橋社長からは「本気で辞めるの?」「考え直すべきだ」と何度も言われました(笑)。職人として歩んだ道のりに、重みを感じてくれたのだと思います。なぜなら、私は木工の世界での経験はゼロなのにも関わらず、それについては全く問題にされませんでしたから。あきらめずに自分の強い気持ちを伝えたら、入社を認めてくれました。後で人づてに聞いた話では、「職人としての心構えがあって、職人としての段取りの付け方を知っていれば、技術はすぐ身に付く」というのが市橋社長の考えとのこと。ただ、やっぱり初心者には違いありません。最初に与えられたポスターフレームの仕事で、いきなり壁にぶつかりました。例えば、四方の角を作るのに、自分では同じようにやっているつもりでも、毎回異なるものが仕上がってしまう。いくつ作っても全て同じ商品を仕上げる木工職人の技術に驚きました。

入社から約1年。2013年6月には木製印鑑ケース「SealCase」を作られました。

入社して3ヶ月間は、何をやっても楽しい期間でした。でも、次第に慣れてきてからは、自分の実力の無さを思い知らされる日々でした。自分が本当に必要とされる存在となれるのか、とても不安になりました。そこで思い出したのが、市橋社長の「自分の武器を見つけろ」という言葉でした。武器というのは、自分がいて初めて生み出せるもの。居場所となり、信頼を育む源ともなるもの。「何かを創らなければ」と頭を捻って、思いついたのがこの木製印鑑ケースです。お恥ずかしいのですが、実は3月くらいに完成していたんです。自信がなくて黙っていました。だからこそ採用してもらえた時は嬉しかったですね。それ以上に嬉しかったのは、第一号が売れた時。Hacoa DIRECT STOREから連絡をもらったのですが、胸の高鳴りが止まりませんでした。

今後の豊富を教えください。

自分の特技は、続けること。コツコツとやっていきたいです。常にいろんなことに耳を傾けて、学びながら成長していかなければと思います。優れた職人がこんな身近で仕事していて、何でも聞ける環境はあまりないですから。私はあまり意識したことはないのですが、市橋社長の言う「職人の心構え」がもし存在するならば、それはきっと、私が12年間に培った宝です。築いた輝きをより輝かせられるように磨き続けていきたいと思います。その上で、いつか、Hacoaの技術の基盤である伝統的なものづくり手法を身に付けられたら幸せです。

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