Hacoaブランド20年のあゆみ

越前漆器の産地、福井県鯖江市河和田地区で誕生し、日本全国に直営店を展開する木製デザイン雑貨ブランド「Hacoa」は、2021年でブランド創立20周年を迎えました。
木地職人の伝統の技を継承しつつ、現代の価値観に合わせたブランディングで成長を続けてきたHacoa。
その背景には、ブランドを率いてきた弊社代表が抱く、未来への確かなビジョンがあったからに他なりません。
語り手:代表取締役社長 市橋人士
聞き手・取材:月刊fu編集部(福井新聞社)

木の良さを生かす、唯一無二のアイテムたち

越前漆器の木地師で伝統工芸士の山口怜示(現会長)が1962年に創業した山口工芸

我々の母体は、越前漆器の木地師で伝統工芸士の山口怜示(現会長)が1962年に創業した山口工芸です。
木地師とは、木でお盆や重箱などの漆を塗る前の木地を作る職人のこと。山口は熟練の木地師として、1500年続く伝統産業を半世紀以上にわたり支えてきました。
現代表の市橋人士は、義父である山口のもとで木地づくりの技術を磨きました。ライフスタイルや食生活の変化により漆器の需要が減っていく中、確かなものづくりの技を武器に2001年にHacoaは誕生しました。

時計やボールペン、USBメモリと聞くと、ひんやりとして無機質なイメージを思い浮かべるかもしれませんが、Hacoaの手掛ける製品は違います。すべてが木材をベースに作られています。
温もりある木の質感や木目の美しさを生かしたデザイン性の高い製品の数々は、長く使い込むほどに風合いが増し、愛着がわいてきます。
それら一つひとつの製品は、越前漆器産地の木地製造技術を受け継ぐHacoaの職人たちの手により、木材を切り出し、削り、磨くという工程を経て生まれています。

木製雑貨を作成

夢を語り伝統をつなぐ、Hacoaのこれまで

夢を語り伝統をつなぐ、Hacoaのこれまで

ブランド立ち上げ前の1997年頃、市橋は毎月のように夜行バスで東京へ出向き、飛び込みで自社製品の営業を行っていました。その中で、産地との価値観の違いを実感しました。
「私は、高い技術で作られる木地そのものにも充分に価値があるのではと感じていました。そこで漆を塗らない木地を産地問屋さんに提案しても、塗らないと価値が無いと言われた時に、この産地は塗りに価値があるんだと諦めました。」「漆器は漆器屋が売り、木地屋は木地を売れば、誰に迷惑を掛ける事は無いと考え、自分で売り始めました。」

漆を塗らない木の製品でブランドをつくるという夢を産地で語ると変わり者扱いされたが、東京では協力してくれる人が次々と現れた。
技術の継承、後継者問題を抱えた業界、産地で市橋は、2001年、木の良さを全面に出したブランド「Hacoa」をスタートさせました。

当初は、漆器の延長でキッチン・テーブルウェア用品をメインに製作していましたが、IT業界が躍進する頃にパソコン周りの製品を開発し、新しい市場に身を委ねました。木製のタッチキーが美しく並ぶパソコン用キーボードは世界で反響を呼び、続けてUSBメモリがヒット、Hacoaの名は徐々に世の中に知られるようになりはじめました。
しかし当時は、外資系の高級ホテルからの調度品の依頼が売り上げの大部分を占め、Hacoaの市場開拓には手が回っていませんでした。
ところが2008年のリーマンショックで状況は一変。大量にあった発注がパタリと止まった。市橋は「外的要因に左右されないビジネスを行うには、Hacoaに賭けるしかない。自分たちで木製雑貨の新しいマーケットを生み出し、育てていくしかない」と決意する。

それからは毎月、新商品を世に送り出し、2010年に初めての直営店「Hacoaダイレクトストア」を都内に開設。2013年にはJR東京駅前の商業施設「KITTE」にも直営店をオープンさせました。「都内の一等地に出店したことで、ブランドとしての信頼が増しました」。首都圏を中心とした全国へ店舗拡大にともない、さらに幅広いユーザー層への普及を狙って、新たな自社ブランドを次々と立ち上げていった。今では全国に「Hacoaダイレクトストア」を十数店展開中です。

KITTE丸の内

木製デザイン雑貨ブランドの歩み

企業年表

木製雑貨年表

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