新しいブランドをつくるのは、一人ひとりの若い感性

新しいブランドをつくるのは、一人ひとりの若い感性

「Hacoaの未来をつくるのは、私ではありません」。
若い感覚を持った人たちが、怖いもの知らずで新しいことに挑んでいかなければ、ビジネスは始まらない。これまでのHacoaを幹とするのなら、そこから伸びる若い枝葉の成長を楽しめる会社を目指す。そのために、土壌を整えるだけなのだ。
市橋は制作現場から一歩身を引き、若いスタッフが成長できる環境づくりに取り組んでいます。商品開発は職人が行い、職人の手で作り出されます。ひとつの商品は独りの職人が木材を選び、削り、組み立て、研磨、仕上がり検品までの、全工程を任される。「もちろん分業制にする方が生産効率は上がります。しかし、職人を一人前に育てるには、この方法しかありません」。
ものづくりを自分の力で完遂させる経験からは、誇りや自信、深い想いが生まれ、やがて職人としての確かな実力に結び付く。そしてスタッフ一人ひとりの成長は、Hacoa製品の品質の高さを維持する力となります。

越前漆器の職人技を基盤に持つHacoaだが、市橋は、「伝統あるものづくりがどんなに優れたものであったとしても、その魅力が現代を生きる人々にマッチするかどうかは、全く別の話。伝統を生かしつつ、時代に合った商品スタイルを生み出していくことが大切なんです」と語る。伝統に裏打ちされた技術力を若い世代まで浸透させた上で、Hacoa製品らしいオシャレさ、軽やかさを表現していくことで、初めて世の中に受け入れられ、ブランドも伝統も輝き続けられると信じている。

伝統に裏打ちされた技術力を若い世代まで

集大成の総合店は、次の未来が描かれる場所

2021年4月24日、カフェの激戦地、東京・中目黒に、Hacoaブランド20年の集大成といえる新店をオープンさせました。4つのブランドの商品が一堂に揃う総合店「KNOCKING ON WOOD(ノッキングオンウッド)」。「ノッキングオンウッド」は、欧米に伝わる幸せを呼ぶおまじないの言葉。「木に触れる体験を通して、幸せを味わってほしい」という、市橋の想いが込められている。
あえて「Hacoa」の名前を店名から外し、従来の直営店とは異なるコンセプトのもとで空間づくりを行った。木製雑貨と共に、「DRYADES」のチョコレートやオリジナルのスイーツを提供。「味覚」の要素が加わったことで、木の恵みを“五感”で楽しめる場所とした。
KNOCKING ON WOODは、“アート”なんです」と市橋は力を込める。人は芸術作品を鑑賞するとき、「この作家は何を伝えたいのだろう」と、想像を膨らませる。それと同じ姿勢で店舗を楽しんでほしいのだという。集う人がそれぞれの感性の翼を広げられる場所。その先に見据えるのは、次にHacoaが目指すべき姿だ。「お客さんは私たちが思いもしないところに興味を持って、意外な楽しみを発見してくれる。人々の興味の対象を観察することで、この先Hacoaが応えるべきニーズを見つけられるのです」

中目黒の新業態カフェDRYADESチョコレート厨房

「ハコア塾」開講、 企業を未来へ導く

「ハコア塾というのは、私が付けた訳では無く、全国の沢山の社長さんが口にしたネーミングなんです。私自身も、一流の人との出会いを通してさまざまなことを教わることで、会社を成長させることができました。一流を知らないと一流には成れないという想いの中、自分なりに得た質の高い経験と知識を提供する事で他の企業にも貢献できればと思います。」と語る。
「ものづくりの今を取り巻く空気がさらに明るくなって、携わりたいと思う人、職にしたいと思う人が増えてくれたら嬉しいですね」。企業の垣根を超え、ものづくり業界全体を先導する挑戦を今はじめる。

ものづくり、ひとづくり、感動づくり

Hacoa VILLAGE構想・ハコア塾

市橋には、長年掲げてきたビジョンがある。「Hacoaに関心を持つ人々が集い、交流し、新しいものが生まれる場所をつくる」という、Hacoa VILLAGE構想だ。2022年春には、そこにつながる「ハコア塾」というプロジェクトをスタートさせる予定だ。
10年間で売上をおよそ20倍に増やしたHacoaのケースは、伝統工芸をベースとしたものづくりビジネスの世界では、全国的にも数少ない成功例。Hacoaの事業拡大の方法論を聞きたいと全国から多くの企業人の声に応える場を目指す。
「例えば、ブランドを拡大するにはどんな戦略が必要となるか。東京に出店するのはどのような手順で行うべきか。経営を継承する人材の育成、若い人たちにものづくりの魅力を伝えるにはどんな工夫が必要か。などなど、その方法を教えられるのは、実際にその道をたどってきた私たちです」
講座は、Hacoaが積み重ねてきた質の高い、膨大な経験と知識をもとに、実際のビジネスの現場の問題解決をカリキュラムに落とし込む、ケーススタディーの形を構想。企業がどうなりたいのか、ビジョンを描いてもらい、逆算でそこに至るプロセスを導き出していきます。

ハコア塾

木製デザイン雑貨ブランドの歩み

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