Hacoaのスタッフたちには、自分の手に加え、もうひとつの手がある。
それは道具たち。
意のままに動かすことで、精巧な技術をしっかりと伝える。


丸鋸(まるのこ)

木と会話するための翻訳機

昇降盤という機械にて1分間に3千~5千の高回転で、木材を切る。
大きさ、厚み、歯の数、角度など、様々な条件に合わせて丸鋸を選択する。
細かく使い分け、切れ味を限界まで求める理由は、もちろん綺麗に仕上げることだけれど、実はもうひとつの理由が隠されている。

「木と話すため」 。

木材を切る時に大事なのは『木材を指先で感じること』。
1枚の板でも場所によっては、無理が掛かって危ないところもある。
それらを、振動や音で判断し、危険を予知する。
安全に、良いものづくりを行うために、木と会話するのである。

木と会話するための翻訳機

丸鋸(まるのこ)


カッターの刃

削るという人生を共に歩む

カッターの刃は昇降盤という機械に取り付けて高回転で使用する。
鋸と違い、「切る」のではなく「削る」役目を持つ道具だ。
R形状(円弧)や傾斜面、溝を掘ったりする時など。
削る目的に合わせて様々な形状の刃がそろう。
それぞれに最適なカッターの刃を用いることで、安全に加工を行え、高精度の成形が仕上げられる。
大きな刃を使うと、サイレンのような大きな音が近くの山に木霊する。
カッターの刃は、鉄の塊から削り出されたオーダー品である。
何度も何度も使い込み、研磨を繰り返す。
一生モノの道具として付き合う相棒といえる。

削るという人生を共に歩む

カッターの刃


レーザー加工機

あの日、胸を焦がした光は

名前の通り、レーザー光線を放つ加工機である。
幼い頃にレーザー光線を知ったのは、ガンダムだった。
まさか、あれから30年後に、その光を使って仕事をするとは…。
目に見えない程の光の線で、ビビッと木を焦がす。
ビーッと、薄い木を様々な形に切ることも出来る。
原理は、小学生の時に習った虫眼鏡で紙を焦がす「理科の実験」。
発信機から出た光をレンズに通して木へ落とす。
あの頃、ドキドキやワクワクをくれた光は今、名入れやイラストによって世界に一つだけの品を作り、誰かの胸にあたたかな火を灯しているように思う。

あの日、胸を焦がした光は

レーザー加工機


鉋(かんな)

0.01ミリの世界が生むアート

引き鉋は木の文化・日本が生んだ優秀な道具だ。
薄皮一枚剥くだけで、荒れた木肌を生き生きとした表情に変える。
熟練の経験は、木肌を読み、木肌に合わせ刃を調整する。
髪の毛1本程度の厚みの中で左右する刃の傾きを加減する。
0.01ミリという感覚の世界。
刃を木槌でコンコンと軽やかに叩く瞬間には、緊張感を覚える。
木板の上を、軽やかな音と木の香りを立てて滑る鉋からは、薄く透き通るような木皮が泳ぎ立つ。
放たれた木の皮は「かんなくず」と呼ばれるが、アートのようだ。日本の先人が生んだ道具に、誇りと自信を抱く職人がいる。

0.01ミリの世界が生むアート

鉋(かんな)


罫引き(けびき)

職人の目安

“測る”道具ではない。
“記す”道具である。
初めて手にした時は、どのように使うのか、皆目わからなかった覚えがある。
ただ、使い込まれたその身体からは、風格を感じずにはいられなかった。
普通、目印を付けるには、定規で図って目盛を読んで印を付ける。
この作業がひとつの挙動で行えてしまう。
押し加減で線引きが行え、目安を付けるのに重宝する。
アナログだが精度が良い。
まるで熟年の大工。
大工仕事には欠かせない道具だ。

職人の目安

罫引き(けびき)


帯鋸(おびのこ)

大事な時に頼れる、親父

鉄の輪に付いた、ギザギザの刃。
両端がつながった帯状のノコギリだ。
帯鋸には沢山のサイズがある。
両腕をつないだ小さなタイプから、背丈ほどの大きさ、家の屋根まで届きそうな巨大なものまで。
見た目はとても怖いが、実は頼もしい道具でもある。
サイズが上がるほど大きなパワーで、ガンガン切る。
ただ、精度を上げて切ることはできない。
曲線を描いて切ることもできない。
不器用な道具でありながらも、不可欠。
この鋸がなければ、丸太は割れない。
いないと困る、親父のような道具である。

大事な時に頼れる、親父

帯鋸(おびのこ)


糸鋸(いとのこ)

手を取り合い、行き先を読む

細い身体が、せわしなく上下に動く。
その光景から通称「ミシン」と呼んでいる。
単純で安全かつ入門的な加工機械だが、奥は深い。
切り口という「今」だけではなく、一寸先の「未来」を見通しつつ作業しなければ、描いていた「計画」に向かって木材を推し進められない。
集中力を研ぎ澄まし、鋸の動きと呼吸を合わせる。
肩に力が入り過ぎては、思い通りにいかない。
鋸と一体になって、直線や真円を切ろうと努力する。
木材のクセを読み、クセに合わせて手を取り合う。
二人で一緒に人生を歩んでいくような加工機。

手を取り合い、行き先を読む

糸鋸(いとのこ)


プレーナー

手を取り合い、行き先を読む

細い身体が、せわしなく上下に動く。
その光景から通称「ミシン」と呼んでいる。
単純で安全かつ入門的な加工機械だが、奥は深い。
切り口という「今」だけではなく、一寸先の「未来」を見通しつつ作業しなければ、描いていた「計画」に向かって木材を推し進められない。
集中力を研ぎ澄まし、鋸の動きと呼吸を合わせる。
肩に力が入り過ぎては、思い通りにいかない。
鋸と一体になって、直線や真円を切ろうと努力する。
木材のクセを読み、クセに合わせて手を取り合う。
二人で一緒に人生を歩んでいくような加工機。

新しい物語をつくる、新しい出会い

プレーナー


へら

伝統を自在に伝える木の板

和菓子づくりにも使われるへら。
ハコアでも古くから重宝してきた。
接着剤となる漆剤を塗る道具。
混ぜたり、こねたり、薄く伸ばしたり、紐状にしたり。
糊を厚くするのも、薄く伸ばすのも角度次第。
へらとモノとの関係は面白い。
自在に扱うには、手に伝わるわずかな感触と手加減が鍵。
プラスチックのへらでは微妙な感覚が伝わらない。
単なる板だが、木の良さが活きる素晴らしい道具。

へら

伝統を自在に伝える木の板

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