Hacoaのスタッフたちには、自分の手に加え、もうひとつの手がある。それは道具たち。意のままに動かすことで、精巧な技術をしっかりと伝える。
取材/株式会社真空ラボ
鉄の輪に付いた、ギザギザの刃。
両端がつながった帯状のノコギリだ。
帯鋸には沢山のサイズがある。
両腕をつないだ小さなタイプから、背丈ほどの大きさ、家の屋根まで届きそうな巨大なものまで。
見た目はとても怖いが、実は頼もしい道具でもある。
サイズが上がるほど大きなパワーで、ガンガン切る。
ただ、精度を上げて切ることはできない。
曲線を描いて切ることもできない。
不器用な道具でありながらも、不可欠。
この鋸がなければ、丸太は割れない。
いないと困る、親父のような道具である。
細い身体が、せわしなく上下に動く。
その光景から通称「ミシン」と呼んでいる。
単純で安全かつ入門的な加工機械だが、奥は深い。
切り口という「今」だけではなく、一寸先の「未来」を見通しつつ作業しなければ、描いていた「計画」に向かって木材を推し進められない。
集中力を研ぎ澄まし、鋸の動きと呼吸を合わせる。
肩に力が入り過ぎては、思い通りにいかない。
鋸と一体になって、直線や真円を切ろうと努力する。
木材のクセを読み、クセに合わせて手を取り合う。
二人で一緒に人生を歩んでいくような加工機。
そなえているのは、超鋼の刃。
私たちが「手押し」と呼ぶ機械だ。
木のねじれをなくして板にする。
最初の工程をこなす。
一度に削れる厚みはたった0.2ミリ程度。
ねじれがなくなるまで、何度も何度も木材を押す。
木材との初対面。木目の美しさを改めて感じるひととき。
木の堅さや柔らかさを、削りながら、手で感じ取る。
すべての木材の癖が、頭にインプットされていく。
想像するのは、ともに歩む新しい物語。
いわば、木材とのお見合いの場なのである。
和菓子づくりにも使われるへら。
ハコアでも古くから重宝してきた。
接着剤となる漆剤を塗る道具。
混ぜたり、こねたり、薄く伸ばしたり、紐状にしたり。
糊を厚くするのも、薄く伸ばすのも角度次第。
へらとモノとの関係は面白い。
自在に扱うには、手に伝わるわずかな感触と手加減が鍵。
プラスチックのへらでは微妙な感覚が伝わらない。
単なる板だが、木の良さが活きる素晴らしい道具。
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